学級ミーティングとは、安全に"今の思い"を自発的に語ってもらい、教室の仲間に共感支持される経験を通して、ピア・サポート力を賦活しエンパワメントされるための、教師と児童生徒の絆を結ぶ学級活動です。
福島版「学級ミーティング」の実施状況
「福島県版学級ミーティング」実施校数は、新学期の平成23年4月12日から4月末に県内のスクールカウンセラーを派遣した際には、小学校13校、中学校7校でした。
派遣要請等あった公立幼稚園・小中学校・高校に、県外(東京、埼玉、神奈川、栃木、千葉、静岡、愛知、岐阜、山梨)の臨床心理士SCを2泊3日又は4泊5日で派遣した「緊急スクールカウンセラー派遣」事業では、Ⅰ期(平成23年5月末〜6月)で小学校5校、Ⅱ期(9月〜10月)で小学校6校、Ⅲ期(平成24年1月〜2月始め)で小学校1校でした。平成24年度は福島県臨床心理士会プロジェクトにて南相馬市、本宮市の小学校3校にて実施しました。
学級ミーティングの評価
実施した結果「学校が落ち着いた」「素直になれた」「不安を口に出してすっきりした」「みんなも同じ気持ちと分かり安心した」「勇気や元気をたくさんもらった」などの感想が寄せられました。
実施校のうち一部ですが、学級ミーティングを実施した後の教師の感想は、以下のような結果が得られました。県内23校148名の教師の回答です。
まず「学級ミーティングはどうでしたか」については、「とてもよかった」「よかった」の回答が多く全体の約85%を占めました。現場の先生方からも一定の評価を得られたといえます(図準備中)。
また実際実施して児童生徒に変化があったとの回答が約70%みられました(図準備中)。
「無気力になった」との回答が4人ありましたが、ほとんどは「仲間意識が生まれた」「落ち着いた」「明るくなった」とプラスの変化を評価された支援であったと言えるでしょう(図準備中)。
マイナスの評価は、実施前に学校への説明が不十分だったと思われます。実施の意義や目的を十分教師と共有して行う必要があります。
自由記述欄に「普段の様子を見ている限りでは比較的通常と変わらず元気な子どもたちであったが、内面では不安に思っていたり、恐怖心を持っていたりすることがわかった。また、子ども同士でも同じに思う友達もいることを知り安心した子もいると思われる」「子どもたちに対する学級ミーティングも効果的だったが前日に行った教職員対象の研修会もたいへん有効だった(教員も被災者であり、それぞれが大きなストレスを抱えていることが実感できた)」「子どもたちも担任も心をほぐしホッと温かな時間を過ごすことができた」等、感想が述べられていました。
対応する課題
対応する資源
実施団体
・福島県臨床心理士会 東日本大地震対策プロジェクト(現NPO法人ハートフルハート未来を育む会)
参考文献
・東日本大震災対策プロジェクト事務局編(2013)『福島県臨床心理士会東日本大震災対策プロジェクト支援活動報告書』福島県臨床心理士会
・小林東(2011)『東日本大震災・子どもの心のケアの20の心得』日本心理臨床学会ウェブサイト,https://www.ajcp.info/heart311/text/kobayashia5.pdf
・福島県教育委員会義務教育課(2018)『「学級ミーティング」学習過程&資料集』福島県ウェブサイト,https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/70056a/gimukyoiku64.html