[活動] 健康増進プログラム「ふくしまの子ども希望プラン」
この活動は、放射線とはなにか、ストレスとはなにか、放射線や病気に負けない体や心を作るためにはどうしたら良いかを包括的に学び,心身の健康をトータルに「教育し育てる」健康増進プログラムを開発し,その効果を検証し、より多くの福島の子ども達に学んでもらえるようにすることを目的にした事業です。
対応する課題
背景
福島では、原発事故後の放射能低線量汚染下で、放射能を適切に防護し、正しく不安に対処する暮らしが必要になっています。このような環境下で子育てする親たちの不安やストレスは大きく、子どもたちはその影響を受け巻き込まれています。
目的
そこで当会では、低線量下で育つ子どもたちが自分を取り巻く環境を理解し、自ら考え判断できる力をつけ、大人の不安やストレスに巻き込まれず、自己効力感を持ち、心と体の健康を自己管理できる人間に成長するように、「守られる子」から「自分を守れる子」へ、「ケア」 から「教育」への支援が必要と考えました。子どもたちが放射能 ( 線 ) を適切に理解・防護できるための「放射能 (線)講座」、不安やストレスに正しく対処できるようになるための「心の健康講座」、免疫力を高める「栄養・免疫機能講座」と身体の健康を高める「運動健康講座」を包括的に学び、心身の健康をトータルに「教育し育てる」健康増進プログラムを開発し、2014年度に宿泊型でプログラムを試験的に行いました。
当会では、子どもたちが自分を取り巻く環境を理解し、自ら考え判断できる力をつけ、大人の不安やストレスに巻き込まれず、自己効力感と自尊心を持ち、心と体の健康を自己管理できる人間に成長し、風評被害に負けない大人になれるよう、「守られる子」から「自分を守れる子」へ、「ケア」から「教育」への支援が必要と考えました。
2014年度にはバス旅行と宿泊型で、2015年度は小学校での授業でこのプログラムの有効性を検証しました。
効果
その結果、参加した子どもたちの生活ストレスは減少傾向(p <.1)を示しました。過覚醒(イ ライラや眠りや驚愕反応)は有意に減少(p <.05)し、イライラや睡眠に自覚的改善をもたらしました。さらに宿泊前には見られなかった子どもの放射線不安と子どものストレスの間に強い正の相関が参加後のアンケートに現れ、放射線について学んだことにより、放射線不安という漠然としていたものが自覚的になった可能性があり、自覚できたことやその対処法を知ったことがストレスを減少させ、過覚醒を落ち着かせることと関連したと捉えることができるのではないかと考えています。